暦の上、七十二候では「鴻雁北(こうがんかえる)」という頃、
冬の間を日本で過ごしていた雁が北へ去っていきます。
数日前の朝、小さい群れでV字型隊列で飛んでいた、あの茶色い鳥はそうだったのでしょうか。
「雁」と聞いて、記憶の端にかすかに引っかったものがあり、思い出そうとしばらく斜め上を見てました。
数分たって、そうだ!と思い出してすっきり。
それは、子どものころ読んだ、椋鳩十 作「大造じいさんとがん」です。
調べると1980年から小学校5年生の国語の教科書に掲載されているようです。
あれ?我が家の長男は5年生、今でも載ってるの?と、聞いてみたら、載ってるよ、と。
だんだん昔の記憶が思い出せなくなる今日この頃ですが、
新しい教科書を開いた時のにおいや、子どもたちの宿題の音読などで、ハッと子ども時分に引き戻され、懐かしい、嬉しい、それとも切ない?何とも言えない気持ちになったりします。
1年生の「大きなかぶ」から始まり、「スイミー」、「くじらぐも」、「スーホの白い馬」「ちいちゃんのかげおくり」、「モチモチの木」、「ごんぎつね」、「大造じいさんとガン」、「注文の多い料理店」、「やまなし」…
この辺は、はっきりあらすじを覚えている方も多いのではないでしょうか。
「大きなかぶ」の音読で「お~おきな、お~~おきな」と一生懸命読んでる子どもの声、
こんな記憶もいつか忘れてしまうのか、いやいや大丈夫…。
我が家にも何冊かありますので、たまに読み返してみると、新見南吉作品など、ストレートに胸にぐっときますし、宮沢賢治のアニミズムや、「かぷかぷわらったよ」「どっどどどどうど」「どってこどってこ」など、一瞬でシーンが浮かぶ楽しさ、くじらぐもにおいては、いまだに乗せてもらえるもんなら乗せてもらいたいと思ってます。
「大造じいさんとがん」の締めくくり、
”らんまんとさいたスモモの花が、その羽にふれて、雪のように清らかに、はらはらと散りました”
というガンの頭領の「残雪」が飛び立っていくシーン、印象的です。
ちょうどこの季節なんだろうな、と思い出したのでした。








